雑感4 <人は何によって輝くのか>

  盛和熟仙台での自主例会で、神渡良平氏の講演を聞く機会を得た。
安岡正篤研究では、第一人者と聞き及んでいたので、楽しみにして聴か
していただいた。神渡氏は、38歳の時、脳梗塞 で倒れ、右半身不随
に陥ったという。

  学問をする前に正座し、追体験をせよ。追体験が、人格陶冶になる。
たった一度の人生だからこそ、とりこぼさぬよう心を浄化せよ。どん
な事が起きようとも、甘んじて受け入れ、動じる事無く対処せよ。心
の琴線に、触れるような花も実もある人生を築き上げよ。お蔭様で、
今日も命をいただきました。いぶし銀の魅力を持つ野にある人々と、
多く接せよ。経済的動機だけでは、不十分。生き甲斐、感動、共感、
夢、貢献、献身以外に、人を動かすものは無い。不遇、逆境の時に、
どう対処するのか。先賢を尋ねて、志を養う。人生とは、一隅を照らす
ものと見つけたり。「一隅を照らす者、これ即ち国宝なり。」人は、会
うべき人に、ベストなタイミングで会わされる。人生とは、出会いであ
る。重大な局面でいただいた言葉が、活路を開く。自分では、想像もし
えないほどの大いなる存在に、身を託す。内なる神を、聞き入れる。な
さざるありを持ってなすあり。人格は、変えられる。活眼を持って、活
書を読む。その経験があってこそ感じる事ができる。人生には、何も無
意味な事は無い。見えなかった物が、見え出し、聞こえない物が、聞こ
えてくる。自分の立たされている状況を、謙虚に受け入れる。無いもの
ねだりはやめよ。隣の芝生は、青く見える。隣りの花は、赤く見える。
有る物を工夫して活路を開く。窮して苦しまず。憂いて心衰えず。禍福
終始を知って惑わず。

 人を相手にするだけでなく、天を相手にせよ。天を相手にして、己を
尽くして、人を咎めず。我が誠の足らざるを尋ぬべし。尊いのは、頭で
なく、手でなく、足の裏である。足の裏的な仕事をし、足の裏的な人間
になれ。足の裏から光を出せ。名を成すは、常に窮苦に在り。事を敗る
は、多く志を得る時に因る。人には、してはならない事がある。それを
守れない人間は、大成しない。人間として、踏み外してはならない事と
は、何か。相手の中に御仏を見、合掌せよ。 無名のままでいい。しっ
かりと大地に足がついた生き方をしたい。常に自分の人生の総決算とい
う覚悟でやる。「随処に主とすれば、立処皆真なり。」

@、Accept Yourself  現在の自分自身を、あるがままに受け入れなさい。  
A、Rely Upon Me  委ねなさい。預けなさい。
B、Rejoice Now  今を楽しみなさい。
C、Appreciate Now 現在を称えなさい。評価しなさい。
内観は、自分探しの内面の旅。人間の完成とは、肉体が完成するだけでは、
不十分で、霊性が完成してはじめて完成する。
1、その人にして頂いた事。
2、それに対してお返しした事。
3、迷惑をかけた事。
この三点に絞り込んで、深く自己診断する事が、内観道場、内観療法。

 思考が人生を創る。一点突破、全面展開。創造価値、体験価値、態度価
値。自縄自縛。人間は、自分で自分を縛る。心のしこりをとけ。人生から
何を期待できるかを、問うのではなく、むしろ人生が、私たちから何を期
待しているかを考え、全生命を持って応える。
「玉の輿乗ったつもりが、欠陥車。」の川柳で心が和み、シャボン玉エピ
ソードで、ジーンと熱いものを感じた、神渡氏の講演だった。一回きりの
人生だからこそ、意気に感じ、花も実もある有意義な人生を送りたい。
「春風を持って、人に接し、秋霜を持って、自らを粛む。」
  
                                                 鈴木誠一拝