雑感33 <みやぎらしい産業の育成>
                             宮城県知事 浅野史郎

  今、なぜ地方分権が必要か。地方分権は基本的には大賛成だが、
国民の大半はその内容がわからない。21世紀は、地方分権で
行かねば日本は危うい。納税者と地方政府との最大の関心事は、
財政の緊張関係である。納税者の意向に従って、税金が効率よく
使われているか。例えば、宮城県の財源100億円をぎりぎりの
中でどれを優先させてどのように使うか。4月から、介護保険法
と並んで、地方分権一括法が施行された。税財源の国から地方への
委託が実施される。国と地方の税を考える会が、平松大分県知事を
会長に、北川三重県知事、橋本高知県知事、浅野宮城県知事を中心
に発足された。石原東京都知事の外形標準課税導入で地方独自の
新税の導入が、世の中に新しい税のあり方を問うた。国と地方との
税財源をどう使い分けるか。地方分権とは美しい言葉である。
中央集権の存在意義は、公平一律である事。公平でないという事が 
最大の殺し文句である。
「足らざるを憂いざるにあらずして、等しからざるを憂える。」
一地方だけで実践すると公平でなくなる。前例に無い事を実践すると
前例と比較して公平でなくなる。介護保険法は、まさに、野に放たれ
た地方が、各自、自分の頭で考え、自分のやり方でやらねばならない。
レースである介護保険制度は、おのずと地方格差が出てくる。
その意味で、介護保険制度は地方分権の試金石である。地方によって
差がついて当り前である。光と影ができる。介護保険は平等均一
でなくなる。あがり(産業)があるところは、税収が豊かになる。
新世紀豊かさ実践宮城(表題)、

  20世紀型の豊かさとは、大量生産、大量販売、大量消費、大量廃棄、
スピード、合理性に象徴されるいわば東京型の豊かさである。
東京か良いなと思う気持ちをまず捨てよう。無いもの探しはやめよう。
あるもの探しをしよう。東京に無くて宮城にあるものは何だろう。
きれいな水、空気、人情、方言、伝統、文化。
もっともっと精神的価値を見い出していこう。
安心、安全、ゆとり、個性、Speciality、Only One、
宮城県では今まで総合計画の主役(中心課題)でなかった、福祉、環境、
教育を県政の柱にすえる。2010年をめどに4つの目標を掲げる。
1、 バリアフリー 2、グローバル化 3、IT 4、NPO 
 NPO(Non Profit Organization)の政策評価を指標で数値化する。
達成目標を客観的に検証できるようにする。
宮城県はつぎの4つのOperational Planこれで実際動きだせる、
利用可能な計画を掲げている。
1、医療福祉、(バイアフリー) 2、環境、(リサイクル) 
3、食料、    (食料王国)     4、IT
宮城は海の幸、山の幸など食材の宝庫である。素材そのものがうまい。
一次産品そのものが新鮮さ、うまさで特化している。「魚がうまいぜ。」
余ったら笹かまぼこに加工する。しかし、単なる宮城産品の売り込み運動は
したくない。単なる売り込み運動には、普遍性がない。
例えば鹿児島県のさつま揚げ作りを宮城県でやって貰えるようにならないか。

 ITを使って、インターネット博覧会をやる。47都道府県のパビリオンが
インターネット上で躍動する。インターネットは双方向性、見る側も
関わることができる。バーチャル農業、バーチャル漁業が出来ないか。
バーチャル漁業で唐桑半島のたねがきを買ってもらう。世界中の珍しい
食材を仙台港に持ってくる。誰も見たことの無いアフリカの食べ物、
フランスのしゃれたプチケーキ等等。そこに行けば誰もが出会ったこと
の無い食材に出会える楽しみを演出する。世界の珍しいものが、宮城の
仙台港にある。宮城で日本全国利き酒コンクールをやる。
日本全国味噌汁大会をやる。蔵王の樹氷を見ながら味噌汁を味わう。
宮城ならではの食のざわめきを発信する。単なる一町一品は、東京の有名
デパートで売っている。支倉常長がローマで食べたといわれるチョコラーテ
をサンファンバウテスタでしか売らない。「食といえば宮城。」を売り出す。

  杜の都、仙台は素晴らしいキャッチコピーである。観光客は杜の都の
イメージをもって仙台を観光する。完全にInprintされた(すりこみされた)
ケヤキ並木しか見えない。杜の都のイメージに合うものしか見せない。
福祉は、ある意味で、お金を稼げるもの、儲かるものである。介護保険は、
究極の過疎高齢化対策である。福祉で過疎をつなぎとめる。
必要は発明の母である。ITを何らかの形で企業が使っているか。宮城県は
今全国最低のレベルにある。実際の企業活動にいかにITを使いこなすか。
宮城県は、企業がITを企業活動に使いこなすお手伝いをしたい。
ITによる情報ハイウェーは企業にとって今や必要条件である。 
ITを企業が使いこなして、こんな良い事があると良い結果を出して初めて
意味を持つ。行政とは、あくまで火付け役、コーディネイト役、お祭りの
旗振りに過ぎない。産業官民の総力を結集して21世紀を切り開いていきたい。
宮城には、こんなに新しい事がある。ざわめきがある。元気がある。
おもしろいものがある。発見がある。そんな宮城を発信していきたい。                       
                                                鈴木誠一拝