雑感17 <Simple is Bestをjazzに求めて。>

   ジャズに魅かれてテナーサックスを始めて、20数年
になります。10年前には「BE-BOPS」(ビ・バップス)
というバンドを結成。地元では、結構有名なんです。
曲はスタンダードナンバーが中心。ジャズに惹かれた
のはまさに突然でした。高校でラグビーをやっていた
もので、早稲田に入った当初もラグビー部に入ったんです。
当時早稲田ラグビー部は2年連続日本一に輝くほど最強で、
1年生だけでも111人もいました。それを夏の合宿でしごい
て30人にまで絞り込むんです。皆脱落して、私は一番
最初に脱落したクチ(笑)。その後、秋に早慶前夜祭で
早大ハイソサエテーオーケストラのライブがあったん
ですね。早大ハイソは日本のアマチュアでは1,2と
いわれるビッグバンドで、それを聴いてすごく感動して、
即入部を申し込んだんです。先輩に「ジャズやったこと
あるか」と聞かれて「ありません。」「何か楽器を
弾けるのか。「弾けません。」ただ一言「ガンバリマス!」
まさに体育会系のノリだった(笑)。それからは
サックスを猛練習。ようやく一人前のプレイヤーとして
認められたのが、3年生の秋。早大ハイソは公演依頼が
多く、テレビからも声がかかるし、ダンスパーティー
全盛の時代で年間70〜80くらいは演奏してました。
 最高の思い出は、サラボーンメイナードファーガソン
の前座をつとめたり、カウントベイシィーなど沢山
の超一流ミュージシャンと交流があったことですね。
胸がドキドキするほどうれしかった。ああいう一流ミュー
ジシャンは、楽器が自分の「肉声」なんですよね。感覚
そのものっていうのかなぁ。息づかい、体臭、すべてが
「音」。そうした感覚に触れること自体がすごく刺激的
だった。その後プロに進む道も考えたんだけど、いろん
な事情け今はこの道です。
  今のバンド「BE-BOPS」は8人。アンサンブルはひとり
が上手くてもだめで、あくまでもチームプレーなんです。
皆と呼吸を合わせて音を高めていく。そして、深めて
いくんです。ラグビーでいう
「ONE FOR ALL,ALL FOR ONE」の精神。それは企業
も一緒ですよね。
 練習量のせいで昔より技術は落ちてきているけど、
「歌心」は高まってきているんじゃないかな。若い頃は
何か音を出していないと不安で、「休符」ができなかった。
が、いまは「間」がとれる。シンプルになって、その分
すごく感覚的に深くなったような気がする。私なりに
ワビ・サビの極致まで表現できたら最高だなぁと思って
います。
  日常の雑事に追われ、ともすれば自分を見失いがち
になる。が、そこに音楽があってホンモノの感動があれば、
ほんの一瞬でもヒトは自由に慣れるんです。シーンと沈黙
する瞬間、言葉もいらない瞬間。感動って実にシンプルな
もの。シンプル イズ ベストで、人間は人生の中で
お金や安定だけでなく、そんな瞬間を手に入れたくて
悪戦苦闘しているんじゃないかなぁ。私はジャズを通じて、
そうした感動の一瞬をとらえることができる。それも
自分だけでなく、やっている仲間と。時には聴いている
お客さんと。ある時には一流ミュージシャンの音に触れて。
心が解放されて自由になる。皆と一緒にワーッと熱く
なっていく、そうした感動以外、人生何を求めるものが
あるのだろうかと思う事もしばしばです。仕事でも実に
そうありたいですね。仙台は文化不毛の地と言われて
いますが、BE-BOPSがある!
是非、皆さんも聴きに来てください。

                                        鈴木誠一拝