雑感56<同時多発テロ>

  世界中に衝撃が走った。ショッキングな映像に
目を疑った。ニューヨークの国際貿易センタービル、
ツインビルと、ワシントンの国防総省、ペンタゴンに
民間機が突っ込んだ同時多発テロは、世界中の人々の
心を震撼させた。世界のビジネス、経済の象徴であっ
た世界貿易センタービルのツインタワーは、既に2本
とも崩壊して、なくなってしまった。世界を支配して
きたアメリカの軍事的な中心地、ペンタゴンも麻痺さ
せられた。まさに地獄絵である。許し難い残虐極まり
ないテロである。米CNNテレビによると、犠牲者の
数は国防総省だけで、約800人が死亡し、最悪のテ
ロとなった。米国史上最悪の被害を出すことになった。
ブッシュ大統領は、テロリストと支援勢力への報復を
言明し、軍事報復の可能性の検討に着手した。パウエ
ル国務長官は、「これはアメリカ、民主主義に対
する戦争だ。」と述べ、犯行グループとの全面対決を
宣言した。米軍は国内外で厳戒態勢に入った。

  アラビア語の航空機の操縦飛行マニュアルなどを
積んだレンタカーを、ボストン国際空港の駐車場で
確保したという。テロリストは、ボストンなどの飛
行場を飛び立った旅客機を、次々とハイジャックし
た後、パイロットを殺してテロリスト自らが操縦桿
を握り、ツインビルと国防総省にぶち当てたといっ
た可能性がある。4機の飛行機がハイジャックされ
たが、驚くべきことは、最低で4人で、この大惨事
を事件を起こせてしまうということだ。実に恐ろし
い。世界貿易センタービルに突っ込んだ旅客機二機
が、アラブ人5人をテロの容疑者と断定したと報じ
た。アラブ首長国連邦国籍とされる旅券を所持、一
人は熟練パイロットという。5人のアラブ系男性の
身元を特定した。イスラム原理主義組織による
組織的、計画的なテロとの見方を強め、本格的な捜
査に乗り出した。

  乗っ取られた旅客機の乗客名簿に、アメリカが国
際テロの黒幕視するサウジアラビアのイスラム原理
主義指導者、オサマ・ビン・ラディン氏の関係者と
みられる複数の人物の名前があった、と米政府筋が
明らかにした。背景まだ一切分かっていないが、パ
レスチナ情勢との関連が強いことは、ほぼ間違いな
い。イスラエルで頻発しているパレスチナ人による
自爆テロが、米国の繁栄と権力の象徴を狙った、乗
っ取り航空機による同時多発テロであった事からし
て、今回の同時多発テロも、イスラム過激派の犯行
であると考える。今回の事件がパレスチナ人よって
引き起こされたとしたら、アフガニスタンに潜伏し
ているオサマ・ビンラディン氏が、今回の事件に関
与したのではないかと報じられている。オサマ・ビ
ンラディン氏は、反米的なイスラム原理主義のテロ
活動を指揮し、ケニヤとタンザニアでアメリカ大使
館が爆破されたテロ事件に関与していた可能性があ
る。今回のテロ事件は、ニューヨークとワシントン
という2か所でほぼ同時に発生したが、同様に同時
多発であるため、オサマ・ビンラディン氏と事件と
のつながりが語られている。 

 今回の事件は、アメリカとイスラエルに大きな影
響を与えることになると予測される。テロ攻撃とし
て史上最大の被害になることは間違いないが、事件
そのものの悲惨さ以外にも、これだけの痛手を受け
たアメリカ政府が、今後中東問題にどう対応するか
が注目される。 表向きは「テロは絶対許さない、
屈しない。」という立場をとることは間違いないが、
一方ではイスラエルによって日々抑圧されているパ
レスチナ人の人権問題もある。アメリカは、あくま
でもイスラエルを支持していくのか、イスラエル支
持を微妙に抑えていくのか。

   東京のアメリカ大使館が、テロを受ける可能性が
でてきた。アメリカだけでなく、全世界がテロに巻
き込まれていると考えられる。戦争を回避する道は
無いものか。イスラム世界への理解が急務と考える。 
 
            平成13年9月12日(水) 鈴木誠一拝