雑感91
<天文台をジャズの音楽堂に。
(意外な音響効果に是非再活用を。)>
ビバップスを聴いて下さいね。

 地下鉄東西線工事に絡む移転で、まもなく廃棄処分される
「仙台市天文台」を新たにジャズの音楽堂に再使用できない
かという声が、市民の間から出ている。仙台は、「定禅寺ジ
ャズストリートフェスティバル」が、恒例イベントとして定
着するなど、ジャズが親しまれ、アマチュアバンド活動も、
活発な地。そんな中、愛好家達の中から出てきた「ドーム型
で音響効果に優れ、防音にも配慮された天文台のプラネタリ
リウムをジャズの音楽堂に」という発想は、杜の文化とリサイ
クルをタイアップさせる画期的構想として注目される。
 昨年、青葉区錦ヶ丘への移転が決まった仙台市天文台。
特にプラネタリウムは、宇宙への夢とロマンを体感できる生
涯学習施設として、昭和31年の開設以来、市民に親しまれ
ているが、まもなく移転にともないその建物も壊される。
 現天文台のある場所が、平成16年着工予定の地下鉄東西
線のルートにあたり、地下鉄工事ではオープンカット(開削)
工法が採用される為、敷設ルートの上の建物や木などは、す
べて撤去されることになるからだ。そんな折り、プラネタリ
ウムの再利用として、ジャズ演奏向けの音楽堂を提唱する声
が出てきた。

ジャズ界の権威、一関菅原正二氏も絶賛。
 「あそこは、ジャズ演奏に最適な空間」。実際、ドームに
楽器を運び込んで演奏した青葉区中山の鈴木誠一さん(52)
は、あまりの音響の良さに驚いている。
 鈴木さんは、ジャズの演奏歴30年のジャズマン。昨年秋に
ドームでの演奏を試し、「ドームでの演奏は、ホールトーン効
果という音のハウリングが全くなく、どの場所でも同じ響きに
聴こえた。ジャズには、最高の場所だと思います。」とその感
想を語る。
 そして、鈴木さんの大学時代の先輩にあたり、岩手県一関市
で、ジャズ喫茶店「ベイシー」氏を営む菅原正二氏も「どこも
直すところもなく、ジャズの音楽堂としてそのまま使える。」と
ドームの音響効果を絶賛。菅原氏は、その昔、早稲田大学ハ
イソサイエティオーケストラというビッグバンドで活躍し、店
名の由来でもあるジャズの大家カウントベイシーとも交友があ
る日本のジャズ界の権威である。かの渡辺貞夫氏も「ベイシー」
で、ライブを恒例とし、また、世界的な米国ジャズマンが来日
した際には、わざわざ一関にある彼の店に立ち寄って帰国する
など、日本一優れた音響システムを誇っている。
 その氏が、鈴木さんのテスト演奏氏に立ち会い、前述のような
御墨付きを出したとあって、愛好家の間では、近々壊される運
命にあるプラネタリウムの再利用を望む声が、ますます高まっ
ている。
 「地下鉄工事にかかり移転もやむを得ないなら、せめて既存
建物を保存したまま、別の場所に移動させることはできないだ
ろうか。」
 以前から仙台の文化振興に力を注いできた市議会議員の屋代
光一氏は、「プラネタリウムとしては役にたたないものが、音
楽堂として最適ならば、是非とも生かす道を考えたい。壊せば
環境破壊にもつながるが、こうした計画ならば文化振興と環境
保護の両方の面に優れたアイデア。」と、音楽堂への再利用に
積極的に取り組む姿勢を見せている。
(仙台経済界2003年5月6日号より)
           平成15年6月7日(土)鈴木誠一拝

 戦前の貴重な建物の保存を求めた、市民有志の訴えは、かな
わなかった。青葉区南町通の旧農林中央金庫仙台支店ビル。
新しい所有者の三菱地所は、既に取り壊しを始めた。
 ただ、建物の面影を新ビルの外観に取り入れる考えという。
これは、愛着を持つ人々が、声を上げた結果。「デザインづくり
に参加したい。」との希望を、市も応援してほしい。
 古い建物を残そう。−そんな市民の運動は、もっとある。
地下鉄建設に伴い、取り壊し予定の天文台。築約40年のプラネ
タリリウム館を残し、ジャズの殿堂に、と市に訴える。
 有志30人の「西公園にライブハウスをつくる会」。署名活動も
計画中だ。来仙したカウントベーシー楽団や渡辺貞夫さんらを招き、
現地で無料公開のミニライブを重ねる。
 「切れのいい音響は、ほかにない、とプロが絶賛します。」
会員で定禅寺ストリートジャズフェスティバルの実効委員でもある
米竹隆さん(63)は語る。
 「お金をかけず、楽しい集いの場をつくれる。大勢の人が愛着を
寄せるものには大切な価値があり、その思いを街づくりの基本にし
てほしい。」という。

(河北新報、夕刊、河北抄より)
          平成18年2月6日(月)鈴木誠一拝