雑感66、巣立ち


 今年は、暖冬で、記録観測上、全国的に最も桜の開花が早いという。
東京は、まだ3月というのに、散り始めているとか。仙台も来週位から
開花するにではないかと思われる。桜というと、入学式が連想されるが、
先日、わが母校木町通り小学校の卒業生を前に、話をする機会を得た。 
笹氣出版印刷鰍フ笹氣社長様からのご依頼で、木町通り小学校の卒業生
に、私の小学校時代の想い出話を披露した。事前に校長先生、教頭先生
と打ち合わせをしたところ、誰からお聞きしたのか、私がジャズバンド
を持って演奏しているというのを聞きつけて、「お話だけでなく、演奏
もお願いします。」というご依頼になり、この2つを30分の中で組み
立てるべく、わが母校木町通り小学校での音楽との出会いに話を絞る事
とした。驚いた事に、佐竹光彦教頭先生が、若い頃ジャズをやられてい
たという事で、一緒に演奏する事となった。

 当日、荒木喜一郎培根同窓会会長のご挨拶に始まり、私の講演と演奏
の出番となった。私は冒頭、自然に壇上で、わが母校木町通り小学校
の校歌、1番を歌い上げた。私の話の筋立てとしては、4年生の時、
当時音楽的教育に大変ご熱心だった、遠州先生、安積先生のお二人に
誘われて、木の芽合奏団という弦楽のオーケストラに入団し、第一
バイオリンを担当し、美しいハーモニーの中で、音楽のすばらしさを
体感できた、感動と感謝を子供達に伝えた。60名のメンバーを擁した
木の芽合奏団は、毎年全国大会で、優勝、準優勝の輝かしい成績を収め、
木町通り小学校の音楽教育のすばらしさを日本中に知らせしめた。
子供ながらに、私はこの木の芽合奏団のお陰で、音楽を生涯の心の友と
する事ができ、今に至っている事を子供達に伝えた。音楽に限らず、
スポーツでも、学問でも、美術でも、技能でも、ボランティアでも
自分に合った、自分らしいものを見つけ、生涯楽しみながら、自分を
高めていく自分だけの大切な宝としてほしいと締めくくった。

 演奏は、最初に荒城の月、二曲目に、The Girl From Ipanema 
三曲目に、Lullaby Of Birdland 最後に、When You Upon a Star
(星に願いを)を演奏した。荒城の月は、木町通り小学校の作詞を
された土井晩翠氏の作詞による名曲なのでとりあげた。
星に願いをは、ウオルトデズニーのピーターパンのテーマになった
ジャズミュージシャンが好んで取り上げる美しい曲なので選曲した。
あとでお聞きしたのだが、荒城の月は、木町通り小学校の合唱の
課題曲であったという。又、星に願いをも、オーストラリアからの
先生が、英語教育で木町通り小学校の子供達に歌唱指導していると
いう。偶然にも、子供達にとって聞き染んだ曲を演奏する事になって
本当に良かった。佐竹光彦教頭先生のスインギーなピアノプレイは、
とても心地良く、楽しみながら演奏できた。

 式が終わってから、ほんとうに一人一人の子供達から、心のこもっ
た感謝の言葉をいただいた。愛するわが母校木町通り小学校の卒業生
のいつまでも心に残る想い出になっていただければ幸いである。
私自身が、巣立ちの子供達の輝く瞳に大変感動し、心洗われるすばら
しい体験をさせていただいた。木の芽っ子、巣立ちおめでとう。

                       平成14年3月26日(火)鈴木誠一拝