雑感61<七福神>

  我が家の床の間に、鈴屋金物鰍フ創業者、私の祖父が
大事にしていた七福神の絵が掲げてある。弁財天を囲んで、
輪になって和やかに談笑している絵である。祖父久治は、
好んでこの七福神の絵を描いた。祖父が元気な頃、七福神、
特に大黒天を書くのが得意だった。宝船に乗ってやって
くるという縁起の良い七福神の絵を見るたび、祖父を
想い出す。

  大黒天は、財宝、有徳の神で、もともとは、インドの
軍神であったと聞く。農業の神、田の神として福を授ける
神とされた。
  毘沙門天は、インドの軍神であり、足利尊氏、上杉謙信
が、武将の信仰の対象とした軍神であった。四天王の時代は、
多聞天と呼ばれた。災難、病患を取り除いてくれる福智、
富貴を授ける神とされた。
  弁財天(弁才天)は、唯一の女神で、音楽、弁舌、才言、
愛敬にたけ、妙音天、美音天とも呼ばれた芸術の神である。
  恵比寿(恵比須神)は、エビス様と親しまれていた海の神、
漁業の神で、商売繁盛の神である。
  寿老人(寿老神)は、老子の化身と言われているが、
長命、子宝の神で、平穏、安全、平和、健康を授ける神と
された。
  布袋尊(布袋和尚)は、弥勒菩薩の化身と言われているが、
堪忍、和合、福徳、円満を授ける神とされた。
  福禄寿は、道教の理想郷描いたもので、幸福、俸禄、
長命を授ける神とされた。

  祖父久治は、大変信仰心の厚い人で、七福神を描いては、
友人に贈呈していた。祖父は、画号を久堂といい、描いた多く
の七福神の色紙に久堂をしたためた。一時、福禄寿から一文字
をとって、禄堂と名乗っていた事もあった。今年も厳しい冬が
過ぎ、仙台も一ヶ月早く、梅が咲く季節を迎えた。春は、もう
そこまで来ている。桜の咲き誇る頃、私は毎年、福島県相馬郡
小高町にある大黒天を奉ってある甲子(きのえね)大国社社務
所にお参りに行く。祖父久治は昭和28年から、毎年かかさず
お参りに行っており、そこには、若い頃の祖父久治の写真が
たくさん、額におさめられている。又、祖父にお会いできる
春が近ついてきた。
                   平成14年2月24日(日)鈴木誠一拝