雑感53<生涯教育>

  7月28日(土)仙台ホテルに早稲田大学奥島孝康総長を
お迎えして特別講演 「21世紀の早稲田大学は何を目指すべ
きか」を開催した。講演要旨を記載する。

  小泉首相は、米百俵の話を引用して国民に我慢する事の大切
さを説いて、大きな支持を得た。なかなかうまい引用である。
米を得るのは1年の計、木を得るのは10年の計、教育を得る
のは100年の計である。米百俵の話は、人を育てる事、教育
が一番大切であるという教えでる。小泉首相は、これをうまく
ずらして、教育が大切である事より、我慢をする事が大切であ
ると引用した。小泉首相は、今の危機を乗り切るには、国民皆
が我慢し、耐乏しなければならないと説いた。

  戦後、日本は、経済大国を目指して行き詰まり、生活大国
(生活天国)を目指して活力を失った。今こそ教育立国を目指
して日本を再興せねばならない。今こそ、教育立国日本の実施が
必要である。教育立国でやっていかなければ、日本の将来は無い。
資源の乏しい日本の未来に希望の灯をともすには、教育立国しか
無い。

  アメリカ、イギリスでは、GDPの12% を教育に投資している。
日本では、GDPの6%しか教育に投資していない。国の助成は、
学生1人当り東大、京大の国立大学1000万円に対して、早稲
田大学100万円である。東大、京大は、学生7人に対して教授
1人に対して、早大は、学生30人に対して教授1人である。

  早稲田民族主義、早稲田純血主義が議論されている。ハーバード
大学、イエール大学では、自校出身者を残さない。早稲田大学は、
平等過ぎた。早稲田大学は、藩札教授が横行していた。早稲田でし
か通用しない実力が無い教授が多かった。一時、ゼミ無きっ子が
多く出た。社会主義国のような学問的競争の無い停滞した大学に
成り下がった。学内での競争がほとんど無かった。停滞は死滅である。
他大学から優秀な教授を多く入れ、500〜600人の先生を入れ
替え、悪平等主義を払拭した。 
  
  早稲田大学は、アジア太平洋地域において圧倒的なプレゼンスを
持っている。中国、韓国においては早稲田大学は、圧倒的に有名で
ある。大隈重信は、アジア全体の近代化を目指した。日本人は、ア
ジア人と、思っているか。日本人は、アジア人としての気持ちが無い。
早稲田大学は、アジア太平洋地域のコアキーステーションになる。

  学問の本質は、反逆、謀反である。新しい学問、理論、価値は、
古いものから見れば、常に反逆、謀反である。21世紀の学問の
焦点は、IT、バイオ、ナロテクノロジーである。学生の為の大学
作りを重視し、学部間の壁を低くし他学部の学生と刺激し合う事
で、勉学意欲を高めるテーマカレッジを作る。個性を打ち出し、
アジア太平洋研究科、国際情報通信研究科、日本語教育研究科等
特色ある独立大学院を新設した。

  教育を充実させる事が、未来を開く。早稲田大学は、個を強める
志を持って立つ私立大学である。早稲田大学は、知識ではなく志を
与える大学である。早稲田大学は、建学の理念に基ついた志を育て
るキャンパスにする。青年は、理想を持て。勇気を持て。前へ進め。
Happy RetireからHappyAgeingへ。年をとるという事は、成熟の過程
をとるという事である。知識、経験の豊富な熟練の人が、社会に還元
する事が大事である。アメリカの大学では、夕方になると多くの人が
集まってくる。40、50、60代の年齢の人が、円座を組んで、
討論している。日本では、大学生の25歳以下が95%だが、アメリ
カは、大学生の半数が30歳以上である。アメリカでは、勉強したく
なった時に大学に入っている。人生50歳時代から人生80歳時代を
迎え、生涯学習システム、生涯教育システムの確立が必要である。
いくつになっても学ぶ事によって、生き甲斐を持ち、キャリアアップ
する事が重要である。早稲田大学は、あらゆる世代に門戸を開放し、
すべての人に対して教育のオープン化を目指す。21世紀の早稲田
大学は、生涯教育によって、チャレンジ精神、志、心意気を基本と
した人作りを目標とする。

奥島孝康総長創作、人生劇場第五番。
早稲田なりゃこそ一目でわかる。
つらい憂き世も楽しく生きる。
ばかな奴だと笑わば笑え。
人にゃ言えない心意気。

                     平成13年7月29日(日)鈴木誠一拝