雑感72 <潜在意識の活用>

 左脳は論理的、合理的、分析的である。現実的で言葉に関わる活動
を制御する。論理的に考えて、結論を出す部分である。右手のコント
ロール、言葉、書く、計算、論理づけるなどを司る。顕在意識を支配
する。右脳は直感的である。想像力、芸術などに関わってくる。夢や
アイディア、直感を生む。左手のコントロール、芸術的な感覚、想像
力、ひらめきを司る。潜在意識を支配する。

 人間の意識は、表層(顕在意識)と深層(潜在意識)に分かれてい
る。意識して、気がついて行動すのが表層(顕在意識)である。顕在
意識の機能は、主に左脳に位置する。顕在意識(表層意識)は、意識
的な自由に使える意識である。悩んだり、不安になったり願望を持っ
たりする。味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚を管理し、感覚器官を通し
て、自分の体とそれを取り巻く環境(現実)情報を集め、分解、分析、
比較、評価、総合判断して、行動する。行動後の情報は、顕在意識か
ら潜在意識へと送られ蓄積される。顕在意識は常に潜在意識を検索し
ている。

 しかし、現実とは、五感を通して伝わって来る感覚の情報に過ぎな
い。逆に現実ではなくて想像だけで、身体にはっきり自律神経と深く
関わる潜在意識にイメージを与えることで実現させることができる。
想像力を働かせて、イメージを与えると、潜在意識は自律神経に作用
して、イメージに合わせた身体の状態を作ろうとする。お風呂にゆっ
たり浸かった状態をイメージすれば、リラックスして眠くなってくる。
あなたの好物を思い浮かべて見て下さい。映像だけでなく、食感、
匂いまでもリアルに思い出すようにすれば、よだれが出そうになる。
頭の中でレモンを想像して下さい。半分に切ってその切り口を想像し
て下さい。きっとあなたの口の中に唾液がわいてくる。脳と身体は、
現実と全く同じように、レモンの存在を認めた訳である。潜在意識
は、現実と想像を区別しない。潜在意識は、否定することを知らない。

 しかし、いくら意識しても、自由にならない身体の働きや反応もあ
る。意識しない意識である無意識、潜在意識は、24時間休まず活動
している。意識しないで行われている身体の活動は、呼吸、心臓の鼓
動、食物の消化、体温調節、発汗作用などある。潜在意識は、24時
間休まずに身体の状態をチェックして監視し続けている。意識が眠っ
てしまった後も潜在意識は、全く休むことなく身体を守っている。潜
在意識は自律神経と深く関わっている。練習、訓練するという強い意
志や努力で、能力を向上させられる。意志の力で思い通りに動かせる
部分は運動神経がコントロールしている。呼吸、心臓の鼓動、食物の
消化、体温調節、発汗作用など、意志とは無関係に身体をコントロー
ルしている神経は、自律神経という。車のマニュアル車とオートマチ
ック車のような違いの感覚である。自律神経は、正常なオートマチッ
ク車で、車の速度に応じて適切なギアを選んでくれる。典型的な自律
神経失調症の症状は、適切なギアにチェンジしない故障したオートマ
チック車のようである。潜在意識は、すべてイメージで処理する。心
臓の鼓動、発汗作用などの自律神経は、自分の意志でコントロールで
きない。

  潜在意識(無意識)の持つ力は、強大である。 潜在意識(無意識)
で「ダメだ」とか「できない」などという固定概念、観念があり、我
々の顕在意識は、観念(潜在意識)にとらわれ、思っていた(意思)
とは違うネガティブな結果となってしまう。顕在意識と潜在意識の一
致が起こった時に、今まで無理だと思っていたことが出来たり、自分
の望む現実を創りだすことが可能となる。潜在意識(無意識)の中で
も、比較的意識に上がってきやすい前意識と、意識にはのぼりにくい
(意識できない部分)無意識とに分かれる。過去の出来事、周囲の状
況、自分の行動などの記憶、感覚的な印象をすべて蓄積し、忘れない。
休まないデーターベースである。批判、判断機能を持たず、現実と想
像を区別しない。睡眠中の夢、ひらめき、直感などを生み出す。潜在
意識の感覚的、感情的な意識は、顕在意識の意志の力よりも優先される。 

  言葉ほど、実在意識(顕在意識)の態度を決定する上に直接に強力
な暗示力を持つものはない。中村天風氏は、言葉の暗示力の強大さを
説いている。人間の精神生命の中には、暗示の感受習性がある。言葉
の暗示の感受習性が、必ず自分が気がつかなくても、声に応じたよう
に感じる。感じると同時に潜在意識に対して、その通りの状態が働き
出すのである。万が一消極的な、怒り、悲しみ、悶え、迷い、悩みが
口から出てくると、恐ろしい結果を神経系統の生活機能に与えてしま
う。しかし、積極的、肯定的な言葉を多用すると、潜在意識の状態が
実在意識(顕在意識)の状態に同化してくる。その結果が気高い言葉、
神聖な言葉となり、生命の一切が、極めて状態の良い事実となって現
われてくる。まさに言霊である。この目に見えない潜在意識を縦横無
尽に活用したいものである。人間のすばらしい無限の潜在能力を信じて。
 
                平成14年7月28日(日)鈴木誠一拝