雑感51<痛みを伴われなければ、何も新たな価値は生まれない。>

   昨日、キャンプデービッドで、日米首脳会談が行われた。
小泉首相は、ブッシュ大統領との会談を終えて、「共通の価
値観、相互の信頼、個人的な友情をともに分かち合えた事は、
すばらしい。」と上機嫌で語った。そして、構造改革につい
て、「痛みを伴う事を恐れて、改革の断行を躊躇する事は、
決して無い。」と力強く断言した。ブッシュ大統領は、「過
去の指導者がやれなかった事に、断固としてやりぬく決意に
敬意を表する。」と支援のメーセージを送った。なごやかな、
フレンドリーな日米首脳会談であった。

   小泉新内閣は、最大派閥(橋本派)と戦ってはじめて勝
った内閣である。戦後、田中派、竹下金丸派、小渕派、橋本
派と常に最大派閥が、政治の中枢に君臨し、首相の進退まで
にも、大きな影響力を与えてきた。小泉新内閣誕生で、国民
の今まで満たされなかった政治的飢餓感が爆発し、85%強
の驚異的小泉新内閣支持率を作り出した。「自民党を変える。
日本を変える。構造改革無くして景気回復無し。」のスロー
ガンで、首相に上り詰めた。

   小泉新首相は、「聖域無き構造改革」を掲げ、骨太の方針
を国民に示した。既得権益の壁にひるまず、過去の経験にと
らわれず、「恐れず、ひるまず、とらわれず」の姿勢を貫い
ている。小泉新首相の目指す政治は、
1、新世紀維新を目指して。
2、日本経済の再生を目指して。
3、経済財政の構造改革。
    構造改革無くして景気回復無し。
4、行政の構造改革。
    民間に出来る事は、民間に。
    地方に出来る事は、地方に。  
5、社会の構造改革。
    生き甲斐をもって安心して暮らす事のできる社会の実現。
6、国民との対話、米百俵の精神、聖域無き構造改革。
   
    この骨太の方針には、大きく2つの批判がある。
1、この不況の時期に、本当に構造改革を断行すれば、景気が
    一段と悪化するのではないか。
2、構造改革の方向は正しいが具体策に欠しいのではないか。
   85%強のほとんどの国民が支持している小泉新内閣に、
聖域無き構造改革の断行を期待している。特殊法人は、経世
会(田中派、竹下金丸派、小渕派、橋本派)の利権の構造、
既得権益の巣窟そのものである。橋本元首相は、20年も構
造改革を主張してきたが、何一つ特殊法人を整理してこなか
った。小泉新内閣には、抽象的な痛み論に終始する事無く、
国民にわかりやすい具体的な政策を断行していってほしい。
明治以来の官僚機構と、経世会を中心に戦後作ってきた特殊
法人をひきずっている日本社会は、最も前近代的な社会主義
国である。いかに無駄な国民の血税を垂れ流してきた事か。
小泉新内閣にしか、今しかこの大事業は、為し得ないと考える。

   旧長岡藩の歴史的教訓である米百俵の精神こそ、真の改革
には必要と小泉首相は説く。No Pain, No Gain. 痛みを伴われ
なければ、何も新たな価値は生まれない。今の痛みに耐えて
明日を良くしたいという小泉首相の気概である。石原都知事、
そして我が宮城の浅野県知事は、まず都、県の職員の人件費の
4%の削減という自ら痛みを持って、自らの身を削って、構造
改革を実行している。国もまず、自らの身を削って、自ら痛み
を持って、構造改革を断行すべきと考える。まず魁より始めよ。

   国民は、陳腐化した自分にとって損か得かの政治に決別
して、国を真に憂える気持ちを持ち、日本をどう再生させる
かのビジョンで、国政にかかわるべきと考える。今、新しい
酒が、新しい革袋に入れられた。小泉新内閣には、特殊法人
改革(整理)と不良債権処理は、何としてもやり遂げてほしい。
その時、国民は、No Pain, No Gainが真に意味する所を体得
するのではないだろうか。

                       平成13年7月1日(日) 鈴木誠一拝