雑感58<臭いものに蓋、元のもくあみ、真紀子切り。>

   ほんとうにがっかりした。国民の信頼を一気に大きく
失った。1月29日小泉首相が田中真紀子外相と野上義
二次官を更迭、鈴木宗男辞任のビッグニュースが報じら
れた。アフガニスタン復興支援会議への非政府組織
(NGO)参加拒否問題、排除問題の国会紛糾で、表向
き国会審議の円滑化、正常化の為という理由で、田中、
鈴木、野上のけんか三者成敗という荒技で、最終決着
を図った。又しても永田町的解決法で決着を図った。
当事者三人に責任を取らせる「けんか両成敗」の結論
は、結局、旧来型の自民党政治から抜け出られない手
法であった。小泉首相、あなたも又、党内の抵抗勢力
に屈したのか。又、自民党内の力学が働いた。小泉首
相の苦渋の決断か。このせこい謀略は、誰のアイデア
か?橋本派か?橋本竜太郎氏か。森喜朗氏か。青木
幹雄氏か。野中広務氏か。自民党政治は、へきへきす
るほどの利権政治屋、派閥抗争、しがらみがらみの
妥協政治だ。

   国民の空前の人気で、伏魔殿、財務省に一人で切り
込んだ田中外相は、様々な財務省の腐りきった体質を
国民の前にえぐりだした。まさに小泉政権の根幹である
聖域無き構造改革を身を持って実践した。
外務省、プール金2億円・328人処分の最終報告、
外務省機密費詐欺事件、松尾被告に懲役10年求刑、
外務省、裏金問題で職員2人を懲戒処分、
外務省裏金、使用1億円超す、
等等の記事が連日紙面を賑わした。

   この問題は、言った言わないの問題という単純な
問題では無い。田中外相を更迭にまで追い込んだ
元凶は、鈴木宗男氏その人である。抵抗派の先兵、
鈴木宗男氏の外務省への圧力は間違いなく存在し
た。鈴木宗男氏に対する「あっせん利得罪」の疑惑
は以前から数多くある。鈴木宗男氏は、故・中川一
郎氏の秘書を約14年間務め(1969.9〜1983.1)金庫
番とも呼ばれていた。無派閥ながら金丸信氏に取り
入り、次は竹下登氏、次に野中広務氏の側近中の
側近となった。大物議員の仲間入りをするためには、
資金集めが上手である事が必須だった。2000年に、
鈴木宗男氏が集めた政治資金は、4億4400万円で、
全政治家中3位とい記録がある。北海道開発庁長官
として配分権を握っていた公共事業費は、約9000
億円、そのうち9000万円が、受注企業から鈴木氏に
還流されたことは政治資金報告書によってはっきりと、
裏付けられている。すべての仕事を利権に結び付けて
考える。選挙の票や金といった、儲かる話があれば、
どんなところにでも飛びつく。北方領土の問題でも条
約や国益より、自分の金儲けが常に先にくる。敵に
回したらあの人ほど恐い人は無いといわれている。
外務省の局長以上は全て鈴木氏に通じており、ほと
んどの情報が鈴木宗男氏に報告され、就任した政務
官は必ず鈴木宗男氏に挨拶するといわれている。
今、ロマノフ外相が来日している。なぜ、鈴木宗男氏
は、一議員であるのに、個人的にロマノフ外相と会え
るのか。財務省官僚は、国家の重要案件を、田中
外務大臣にあげず、田中外務大臣の言う事を聞か
ずに鈴木宗男氏の言う事を聞いていた。これは、
れっきとした国家公務員法違反ではないか。なぜ財
務省官僚は、鈴木宗男氏の顔色をうかがわなければ
ならないのか。鈴木宗男氏が、田中真紀子女史では
なく、実質的な陰の外務大臣であったことは間違いな
い。なぜ自民党はこの鈴木宗男氏を守るのか。
この問題の裏に大きな疑獄事件の匂いを感じるのは、
私だけであろうか。

   今回は、田中外相には、非は皆無である。問題は、
田中外相その人ではなく、本質的には、鈴木宗男氏と
外務省の関わりと権力構造そのものにある。外務省
には政府開発援助、ODAという巨大利権がある。利
権政治屋の跋扈(ばっこ)などもっての他である。
ODAの口ききからの利権構造を野放しにするな。この
問題を正面から取り上げ、責任を明確にすべきだっ
たのである。このよう永田町的解決法では、構造改革
も景気回復も、どちらもできるはずがない。聖域無き
構造改革を掲げるのであれば、族議員の権益だけを
残して制度改革をやるのではなく、権力構造そのもの
を変えねばならない。鈴木宗男氏の権限も無いのに
外務省に対する長年の不当な干渉こそ、事の核心であ
る事を明確にすべきである。権威主義者、鈴木宗男氏
には国民に対する説明責任がある。覚えが無いなら、
男らしく国会での証人喚問、参考人招致なりに応じて
国民の前で、身の証をたてられたらいい。日本の恥
である。国辱である。
鈴木宗男氏よ。李下に冠を正さずを心に刻め。

  外務官僚が、神聖な国会においてしらじらしく嘘をつく。
これは、国会、いや民主主義そのものに対する冒涜で
ある。うそをつかない美徳、正義が、外務官僚には
あるのか。恥ずべき事である。特定政治家の強い介入を
黙殺する。NGOを軽く見るお上意識。外交が素人にわか
るかという官尊民卑のおごり、高ぶりの発想。今、官は、
公ではなく私物化されている。外務省官僚の公金横領
詐取事件。機密費(報償費)上納疑惑の根本的問題も
又もや封印された。

   小泉内閣の「聖域なき構造改革」路線は、旗印の構造
改革を放棄した瞬間、政権が崩壊するのは論を待たない。
田中外相更迭を機に、世論の風向きが変わるきっかけと
なり、政権の命綱である内閣支持率は急落し、国民の支
持もつるべ落としのように急降下すると考える。国民の支
持を失うだけならまだしも、日本まで、本当に沈没してしまう。
本当にやむを得ない選択だったか。小泉首相の政権基盤
が動揺するのは避けられない。小泉改革の先行きに、不
透明感が増してくると考える。失った支持を取り戻すには、
改革の実績、実効を早急に上げることでしか、国民の信
頼を回復する事ができない。構造改革のスピードが余り
にも遅い。 期限、時限を定めて、構造改革のスピードを
早めるべきである。小泉首相は、なぜ3人を更迭したのか。
はっきりわかりやすく具体的に説明せねばならない。
少なくとも鈴木宗男氏、野上義二氏、田中真紀子女史、
大西氏の4人の国会での証言が必要と考える。
真相はうやむや。真相は又しても闇の中か。?

   最後に、田中真紀子さん、あなたは、腐敗だらけの
外務省にするどくメスをいれ、国民に知らせていただき
ました。その献身的ご尽力と潔さにエールを送ります。
田中外相の貢献に深く感謝したい。ご苦労様、ありがとう。

             平成14年2月2日(日)鈴木誠一拝