雑感108
『個人情報の保護を考える。』

  平成17年4月1日から「個人情報保護法」が施行されました。皆さん、
この法律の内容ご存知でしょうか。?分かっているようでよく分からないの
が現状ではないでしょうか。仙台稲門会の5月月例会で、菅野美穂弁護士か
ら、「個人情報保護法」のお話をお聞きする機会を得ました。

日常よくある事例を考えてみて下さい。
1、メールアドレス帳は個人情報でしょうか。?
勿論個人情報です。
2、自社内の名刺は個人情報でしょうか。?
名刺ホルダー等にきちんと整理してあれば個人情報です。机の中に無造作に
未整理で投げ込んだ状態なら個人情報ではありません。
3、「〜さんからTELありました。」という伝言メモは個人情報でしょうか。?
社名、電話番号等が記入されていれば、個人情報です。
4、電話帳は、個人情報でしょうか。?
個人情報ではありません。
5、防犯(監視)カメラに写った人の画像は個人情報でしょうか。?
勿論個人情報です。防犯の目的以外には使用できません。
6、新聞に掲載される死亡広告は個人情報でしょうか。?
故人については個人情報ではありません。喪主等については個人情報です。
7、クレジットカード番号は個人情報でしょうか。?
勿論個人情報です。その情報単体では、個人を識別できない場合でも、他の
情報と組み合わせることで容易に識別可能になる情報は、個人情報です。
8、デジタルデータは、個人情報でしょうか。?
勿論個人情報です。

「個人情報」とは、「その情報によって生存している個人を識別できるもの」
と定義しております。インターネットの普及による高度通信社会の到来により、
個人情報の流用、悪用、漏洩に伴うプライバシー、基本的人権の侵害が多発し、
対外守秘義務の責任、管理の明確化が義務ずけられ、18分野の業界のガイド
ライン、具体的運営策が講じられました。要望があれば、顧客に利用目的、管
理状態を公開、告知せねばならなくなりました。個人のセンシティブ(極秘)
情報、個人データを、第三者に提供する事を禁止し、個人データに関し、本人
から求められた場合、開示、訂正、利用停止が義務ずけられました。プライバ
シー保護が、自己防衛上、拒否できるようになりました。個人情報が、どのよ
うな目的で使用するか明確にせねばならなくなりました。事業目的で個人情報
を収集している一般企業、個人事業者、商店、私立学校、私立病院で、過去6
ヶ月間で、5000人を超える個人データを持っているものが、個人情報保護
法対象事業者となりました。5000人を超える個人データの例は、
1、パソコン顧客リスト。2、社員名簿。3、バインダーに綴じた取引先リスト。
4、整理された名刺。5、メールアドレスリスト。
個人データにならないものは、
1、整理されてない名刺。2、市販のCDROM。3、電話帳。
別の目的で使用した場合、罰則規定は、意外と軽微ですが、6ヶ月以内の懲役、
30万円以下の罰金が課せられます。しかしそれ以上に、顧客への損害賠償、
会社の信用失墜が大きいようです。携帯電話は、うっかり落とせなくなりました。
そこに入っている個人情報が問題になるからです。

企業側のクレームへの対応は、次の4つの場面で早急な対応が必要となります。
1、使用目的への質問。2、登録内容への質問。3、訂正の要求。
4、利用停止の要求。
裏返せば、個人が、事業者に要求できるようになったことは、下記の4項目です。
1、自分の個人情報の利用目的の通知を求めること。
2、自分の個人情報の開示を求めること。
3、自分の個人情報が間違っているときは、訂正を求めること。
4、自分の個人情報が違法に取り扱われている時に、求めること。

 社内でも個人情報に関する管理体制が必要となりました。当社、鈴屋金物
でも即刻、個人情報保護政策を作成しました。細かいことでは、伝言メモの始末
のルールを作るとか、名刺の管理の方法を真剣に対処せねばなりません。名刺を
整然と整理すると個人データとみなされ、乱雑に引き出し等に突っ込んでおく分
には個人情報にならないそうです。コピー用紙の裏紙の使用にも慎重さが必要に
なりそうです。例えば「新製品開発のため」のアンケート調査は、沢山の個人情
報が蓄積されので、アンケートに答えてくれた方々に「販促」の目的でDMを発送
すると、アンケートの目的は「新製品開発のため」であって、販促手段としての
DMは目的外ということになって、アンケートをお願いする時点で「あとで新製品
のお知らせをさせて頂く。」ことの了解を取り付けておく必要があるということ
になります。アンケートは、はっきりとした使用目的を明示しない限り、法律違
反となります。個人の人権を守るための法律なので、企業側は、煩雑で、面倒く
さい仕事でも対応せねばなりません。個人情報を軽く考えてると、あとで顧客へ
の損害賠償等痛い目に遭わないとも限りません。

 聞き覚えの無い第三者からの個人情報の問い合わせに対しては、なりすましも
考慮に入れ、「個人情報保護の関係で、お教えできかねます。折り返しこちらか
らご連絡いたします。」とこまめに本人であることの確認をとることが必要でし
ょう。IT社会で個人情報が大量に流れ、双方向で情報のやり取りが可能となり、
企業が情報セキュリティー管理を、どこまでやらなければならないの本当にむず
かしくなってきました。個人情報保護の目的は、個人の権利、利益を保護するた
めに、個人情報取り扱い事業者の遵守すべき法的義務を定めるとしております。
個人の人格尊重の理念の下に、個人情報が慎重に取り扱われることを基本理念と
しております。表現の自由、報道取材の自由と基本的人権の尊重、プライバシー
の保護との兼ね合いに対して、今こそ真剣な国民的な議論が必要ではないでしょ
うか。?


                  平成17年5月11日(水)鈴木誠一拝
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