雑感95 <経営備忘録>
                       

  今日、足利銀行破綻、一時国有化の衝撃的ニュースが飛び込んできた。
日本経済が、ほんとうに厳しい状況であることの象徴的なニュースであ
る。金沢市のソーコゴーセンの代表取締役社長である我が尊敬してやま
ない冨澤信夫氏より、私の為に、長年、社員に訓示した分厚い経営備忘
録を送って下さった。そこには、人間冨澤信夫叔父の過酷な経営の奮闘
の有様が、詳細に書かれてあり、中小企業の経営者である私にとっては、
長年現場で培った貴重な生きた教訓であり、経営のエキスがたくさん詰
まっている。鈴屋金物鰍フ経営に、生かしたいと強く考える。冨澤信夫
叔父の了解を得たので、彼の経営備忘録を掲載したい。

(行動変革論)
1、利益なき会社は、潰れ、最大の犠牲者は、自分であると知れ。
2、会社を愛し、会社を繁栄させる事が、自分の最善の生活設計の向上
    につながると知れ。
3、従来からの経験則(前例主義、経験主義、協調主義)の延長線(マ
    ンネリ、慢性病)の他人事思考、他力本願を捨て去れ。    
4、仕事とは、上司から与えられるものではなく、自ら作るものと知れ。
5、「何をしていいかわからない。」「何とかなるだろう。」「今まで
    通りしょうがない。」「上司の指示通りにやっていればいい。」と
    いう他人事思考、他力本願を捨て去れ。
6、過去の成功体験は、すべて忘れろ。
7、個人の利益、エゴ、個人都合主義は、捨て去れ。
8、現状維持は、衰退、滅亡と肝に命じ、今からゼロからスタートせよ。
9、会社全体としての流れが、現状維持の壁を突き破れているかどうか
    を、厳しく問い正せ。
10、今日できない人間は、明日もできないと知れ。 
11、他力本願的傍観者、批判者から、主体的実践人に、労働者から喜働
      者に自己変革せよ。
12、一人一人が、具体的に何を変革し、自分が具体的にどう変わり、どん
      な具体的な利益、成果があったかを厳しく問い正せ。
13、あなた自身が、今までにない新しい事に挑戦したかどうかを厳しく問
      い正せ。
14、あなた自身が、挑戦して、失敗した事例を作ったかを厳しく問い正せ。
15、自ら主体的に挑んだ新しい挑戦、逆境は、人を作ると知れ。
16、もうこれ以上できないという壁、極限状況で、もうひと踏ん張りせよ。 
17、もっと違った考え方、やり方がなかったかを考え抜け。
18、「私にとって、最も重要な仕事とは、何か。私にしかできない事で、本
      当に重要な事は何か。」を厳しく問い正せ。。
19、真に行動を変革する為に、新しい事に挑戦し、主体的失敗を重ね、人前で
      恥をかいて、知恵を絞り、何かをつかみとり、小さい成功を積み重ねよ。 
20、「TRY and Error.」を継続的に実践せよ。
21、No Changeは、No Action、Nothing Doであると知れ。
22、「変革か死か。(Change or Die. Think or Sink)」を肝に命ぜよ。
23、「皆でやらなければならない重要な仕事があった。皆、誰かがきっとやっ
      てくれるだろうと思っていた。誰でもその気になればできるのに、誰もや
      らなかった。まさかだれもやらないだろうとは、誰も気付かなかった。最
      後には、皆、誰かのせいにした。」という「4人の人の物語」(Everybody、
      Somebody、Anybody、Nobody)を肝に命ぜよ。

(リ−ダーシップ論)
1、一頭のライオンに率いられた百頭の羊の群れは、一頭の羊に率いられた百頭
    のライオンの群れに勝つと知れ。
2、なにげないところで、人を感動、感服させる力を持て。
3、生き筋を見抜く力を養え。

(目標設定論)
1、目標に対する執拗なまでの執着力を持て。
2、毎日、目標、目的を設定して、緊急度、重要度の優先順位をを考えて、計画
    的にスピーディーに行動せよ。
3、目標を、最初(徹頭)から最後(徹尾)までこだわり続ける(徹底)の3徹
   (徹頭、徹尾、徹底)を貫け。

(タイムマネジメント論)
1、現場でとらえた問題を、その時(即時)、その場(即座)で、すぐに対応
   (即応)の3即主義(即時、即座、即応)を実践、継続せよ。
2、人についていく人間でなく、「俺がやらねば、誰がやる。今をおいていつ
    やる。」というすぐやる主義を貫け。
3、今の私の時間を、何に使うのが最も有意義なのかを厳しく問い正せ。
4、軽重緩急の優先順位を考えて、毎日、スケジュール化、行動計画化せよ。
5、一つ一つの仕事のリードタイムを短縮せよ。タイムリミットを設けよ。
6、優れたアイディア、行動も、時間のタイミングを逸すれば、価値を半減する
  と知れ。
7、待ち時間を有効に活用する為に、ウエイティングリストを持ち歩け。

(心を高める経営論)
1、「この世には、なすべき事が実に多い。急げ。」(ベートーベン)を肝に命
  ぜよ。
2、すべての意思決定を、曖昧にせず、明確にせよ。
3、会社とは、無限の坂道を、大八車(会社)を全員で押していくものと知れ。
4、会社とは、激流を小舟(会社)で、全員で必死に漕いでさかのぼるものと知れ。
5、会社の内にあるものは、コストだけで、すべてのビジネスチャンスは、外に
  あると知れ。
6、常にお客様の懐に飛び込み、お客様の視線で、現場主義、顧客主義に徹せよ。
7、会社とは、急激な変化に対応する環境適応業である事を肝に命ぜよ。
8、会社とは、弱者に対する思いやり集団では決してなく、足手まといを切り捨て、
  優勝劣敗、諸行無常の戦闘集団であると知れ。
9、企業を存続させる事とは、お客様に支持され続ける事である事を肝に命ぜよ。
10、必ずできる、勝ち残れると信じて、仕事に無心で打ち込め。
11、経営の赤字より、すべて自分が原因という心の赤字を解決せよ。
12、会社の存在感を高揚せよ。
13、どんな商品、技術にも、価格、品質の差はほとんどなく、人格、会社の品格、
      力量、感性が勝負と肝に命ぜよ。
14、できるだけ他分野の立場(発想、価値観)の異なる一流の人、物に触れよ。
15、進んでする者は、上の上、まねてする者は、中の中、言われてする者は、下
   の下、言われてしないの者は、下の下の下、言われてもせずにむくれている
   者は、下の下の下の下であると知れ。
16、利益(成果)が上がるかどうかは、原理原則3分、継続性(執念、挑戦心、
   根性)7分と知れ。

(業務実践訓、行動指針)
1、販売無くして、会社(事業)無しと知れ。
2、仕事とは、時間でも、量でもなく、利益、成果であると知れ。
3、計画した目標利益、目標売上(受注)を死守せよ。
4、約束した納期、品質を死守せよ。
5、時間約束を守れ。守れないなら、最初から約束するな。約束に身勝手な軽重を
  付けるな。直前の約束変更、不履行は、取り返しの付かない信用を失うと知れ。
6、稼げる時に稼ぎ、稼げない時は、休め。(繁忙日の日曜、祭日返上は当たり前、
  柔軟に代休を取れ。)
7、お客様は、お金である。好き嫌いを絶対に言うな。お客様(消費者)の目を侮
  るな。一人一人が、日々必死で固定ファンを作れ。 
8、一人一人が、毎日の利益(儲け、付加価値)の無い働きを、利益(儲け、付加
  価値)を生む働きに変えよ。
9、給料は、自分で稼ぐもので、3倍でトントン、利益無しと知れ。
10、利益、売上の目標値と、毎日の実績値を比較し、日々の実績を把握せよ。
11、ビジネスチャンスの機会損失(利益獲得チャンス逸失)を厳しく問い正せ。
12、直接、生身の人間(お客様)と触れ合え。
13、@入った時、A名前を名乗った時、B話が済んだ時、C又よろしくお願いしま
   すと言った時、4回頭を下げよ。
14、どうせやらなければならない仕事ならば、楽しくやれ。
15、人が、10回行くなら、20回行け。足まめ、筆まめ、電話まめの営業マンに
   なれ。
16、注目、興味、欲求、記憶、購買行動(AIDMA、Attention、Interest、Desire、
   Memory、Action)の営業、セールスの順序を守れ。
17、「申し訳ございません。すみませんでした。以後気をつけます。」の心からの
   謝り言葉を訓練し、実践せよ。
18、客の後姿に、感謝の気持ちで頭を下げよ。
19、真実の前では、公平、公正、平等であれ。
20、暗雲の裏には、光明があると知れ。
21、今日は、あなたの人生の残りの最初の日である。「Today is the first 
   day of your life.」を肝に命ぜよ。

すばらしい経営の要諦がちりばめられておるこの経営備忘録を、常に持ち歩き、社員
共々、日々、やる気、意欲を鼓舞していきたい。
                       
                        平成15年11月29日(土)鈴木誠一拝