雑感113
<ホリエモン逮捕。!!!証券取引法違反。>

  ホリエモン逮捕。!!!証券取引法違反。日本中に衝撃が走りました。
時代の寵児が遂に奈落の底に堕ちました。閉塞感の漂う平成大不況の時
代に、ライブドアは何か新しい扉を開いてくれる、新しい夢をもたらし
てくれるという大きな期待を多くの人が持っていました。古い既存の仕
組みを打ち崩し、何か新しい世界を構築してくれる「IT寵児、IT大
君、IT長者、時代の顔、改革の旗手、挑戦者、救世主、破壊者、理想
の社長」とマスコミが持ち上げました。近鉄バファローズ買収で一躍世
に出た堀江貴文のライブドアが、東京地検特捜部の強制捜査を受けまし
た。容疑は証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)。時代の寵児とも
てはやされたライブドアに一体何があったのでしょうか。?ライブドア
本体が、粉飾総額90億円の経理操作をした疑いで、特捜部は、一連
の不正工作に深くかかわったとみて堀江社長の刑事責任を追及、宮内亮
治、岡本文人、中村長也の4人を逮捕しました。特捜部は、電子メール
を中心とする押収資料の分析の結果、企業買収工作、ライブドア本体の
決算粉飾疑惑90億円の経理操作がありました。一連の不正工作は、
ライブドアが自社株の高値を利用して、企業合併、買収(M&A)を繰
り返していました。「時価総額経営」を続けるため、株式交換による企
業買収と株式分割を組み合わせて株価を不法に吊り上げ、自社株の売却
益を還流させる手口で、6社を買収しました。架空売り上げを計上して、
本来は赤字の決算を黒字と虚偽事実を公表し、特捜部はこれらが「偽計」
と「風説の流布」に当たると判断し、逮捕しました。100分割公表と
決算短信での虚偽の黒字公表で、ライブドアの株価は高騰し続けました。
ライブドアが大きく関わった投資組合が、海外のファンドに8億円で売り
抜け、6億6000万円がスイスの銀行を通じて、ライブドアに還流しま
した。東京地検特捜部は、債務超過状態のマネーライフをLDMの新株の
受け皿にすることで、巨額の資金を生み出した錬金術と見て、一連の手口
を考え出したとされる宮内亮治は事実関係を認めたようです。「株価を
上昇させて株主に報いることが、株式会社の使命」と建前を言っていた
ホリエモンは、結局は、自社株を上げて、自社に巨利を還流させていた
に過ぎませんせした。

 ホリエモンを国政を担うに足る人物だと判断して、選挙民へ強く訴え
た以上、馬脚が現われた今、小泉首相は、速やかにその人物判断の選定
の誤りを率直に詫びるべきと考えます。安直に票寄せパンダとして、ホ
リエモン人気に飛びついた竹中総務相、武部幹事長も、衆議院選で応援
した批判を受けることの責任は、免れません。今後は、ライブドアは、
恐らく上場廃止になり、個人投資家からも、株価暴落に対する損害賠償
請求を起こされると考えます。ホリエモンは、最悪、自己破産する可能
性もあります。ホリエモンは、「オンザエッヂ、On the Edge」
(崖っぷち、切っ先、きわどいせめぎあい)とライブドアの前の社名に
表れているいるように、初めから法の網すれすれで、金儲けしか考えて
いないた錬金術士だったと考えます。企業の合併、買収を繰り返し、
わずか10年で40社を超える企業を抱え、7300億円もの資産を築
き上げました。大阪近鉄バファローズの買収に名乗りを上げ、新球団楽
天スポンサーに名乗りを上げ、高崎競馬場買収構想を打ち上げ、ニッポ
ン放送株の大量取得で、フジテレビと抗争、衆院選に広島6区から出馬、
落選等、常に世間の耳目を集めました。

 実体経済を伴わない(生産のない)虚構がまかり通る最も資本主義の
悪い面が露呈してきた現代社会の象徴の堀江貴文は、確かに我々に多く
の教訓を現代社会に与えてくれたと考えます。実体経済を伴わない人倫
を無視したマネーゲームだけで、10年間で7300億円もの資産を築
き上げた恐ろしさを改めて直視すべきです。法の網をくぐった金の為に
はなんでもやる「拝金主義」「弱肉強食思想」は、まさに多くの現代人
の心をむしばんでいることに、我々は、気付かなければならないと考え
ます。極端な市場経済原理主義は、貧富の差拡大、一強百弱の過当競争
のゆがんだいびつの世の中を作り出しました。拝金主義の達成手段とし
ての法の盲点を衝いた悪行に、遂に検察、司直の手が入ったのは、当然
帰結と考えます。現行法制度の不備を見直す機会を与えたことは、良い
教訓でした。東証のシステム処理能力の脆弱さが露見し、急遽対策が図
られたこと、ニッポン放送、フジテレビの経営陣の目を覚まさせたこと
等、ホリエモンの所業には功罪半ばするものもあると考えます。我がこ
とと自戒し身を引き締めて、自らの尊い生業に励みたいと考えます。時
代の寵児、ヒローともてはやされていた堀江貴文は、まさに現代の精神
の荒廃を象徴しています。「ずるいといっても合法だったら許される。」
「ずるい」という言葉は、すでに罪悪を含んでいるにもかかわらず、合法
を楯にして既に平然と人倫を無視しております。人倫によって「自分は縛
られない。」というホリエモンの傲慢さの顕われがすでにここにあります。
「許される」という言葉も又、悪行を犯すことを前提としています。 
「許される」とは、法律の網はまだ不十分、不完全であって、すべての悪
行を取り締まり切れないという意味でしかありません。良心に従わぬ者は、
決して許してはいけません。善因善果、悪因悪果の因果応報の理は、人間
が定める法律のような目の粗い網ではないのです。「過失罪悪が、報いを
もたらすまで、愚かな者は平然としている。やがて時が至れば、過失罪悪
に見合う罰を受けること必定である。」「災いの元となる悪行を行なって
いながら目先の福徳に恵まれているのは、悪行が報いをもたらす時がまだ
訪れていないだけのことである。時至れば、自ら惨い罰を受けねばならな
い。」悪はやがては、見すえねばならず、悪を教えてくれる悪人は、誰で
あれ反面教師とすべきと考えます。「驕れる者久しからず。ただ春の夜の
夢の如し。盛者必衰の理をあらわす。」汗を流さず巨利をむさぼる現代の
日本の風潮に、「天網恢々、祖にして漏らさず。」天は、鉄槌を下しました。

 ホリエモンは、ごく普通のサラリーマン家庭で育ったようです。ITの象
徴だったホリエモンには、社会が、政治が、特にマスコミが、時代の寵児、
ヒロー、改革者として、煽りたて、期待し過ぎ、追い込んだ罪もあると考え
ます。10年間で7300億円も稼げるなんて、真っ当な仕事をしていれば、
不自然でどうしても考えられない。今こそ額に汗する職業、人生に拍手を送
るべきです。「富の主は、天下の人々なり。」この言葉は、石田梅岩の商人
道、仁義礼智信を説いたものです。富とは、商品、サービスを介して何らか
の創造的な価値を作りだすものです。ホリエモンが、フジテレビ買収の時言
っていた「報道と通信の融合って何ですか。?何か具体的なものを示しまし
たか。?」日本の法的整備が、急激な社会の変化に追いつけず、透き間を衝
いた錬金術士ホリエモンを踊らせる土壌を作ってしまいました。市場原理主
義という規制無しの競争を強いてる現在の拝金、企業業績追求、成果至上主
義という風潮、行動基準が、この問題の背後にあると考えます。日本人特有
の行動基準である思いやり、同情、共感という弱者に対する日本人の最も美
しい情けが、現在は喪失しています。ホリエモンショックは、単にホリエモ
ン個人の問題だけでなく、根底にある我々自身の現代的な大きな病巣である
ことに、気付かければなりません。問題は、堀江氏の哲学観、人生観そのも
のが問われるということです。ライブドアのHPには、経営理念なるものが、
一つもありません。あるのは、金、金、金。時価総額世界一が、ホリエモン
の口ぐせでした。要するに、彼は、金の為には、何でもする。自らが広告塔
になって、今最も話題になっていることに食らいついて、自分と会社の知名
度を上げるということに、無類の行動力を発揮したことに、当初私も気が付
きませんでした。不当買収、株価不正釣り上げで儲けた悪銭は、所詮身に付
きません。ホリエモンの最大の商品は、やはり分割し続けた不正な自社株で
した。時価総額を高めるトリックは、華やかなITを隠れ蓑として、不当買収、
不法株価不正釣り上げで儲けていたにすぎません。化けの皮剥がれました。
世の中を甘く見てはいけません。堀江君、暖房もない極寒の3畳の拘置所で、
ゆっくりもう一度、人の心、人倫、道徳を学び直しなさい。あなたの会社が
どこかにM&Aされるのが、一番いいかもしれません。時代の寵児ともてはや
したマスコミの一転の罵詈雑言の報道は、哲学の無い、節操の無い目をおお
うばかりの恥ずべき低レベルです。誰が大人物で誰が小人物か、誰がまっと
うで誰が姑息かを見極める選択眼を持ちたいものです。冷静に、現代の深刻
な病巣を見つめ、ホリエモンを反面教師としたいものです。ホリエモンのよ
うな人間にならぬよう、子供達へ、「ずるいことをしてはいけない。」と
しっかり人倫、人の道を教えましょう。
「目に見えぬ神に向ひて恥ぢざるは 人の心の誠なりけり。」(明治天皇)
効率主義、利潤追求が第一という社会のひずみ。株主に不正な情報を流した
風説の流布。偽計取引。株式分割で株価吊り上げ。ルール無視の錬金術。
企業買収の横行、拡大。マネーゲーム。ファンド資本主義。マスコミを煽っ
て話題提供、広告塔、偶像。株価と価格。世代間抗争。何でもあり。
現代の深刻な病巣をもう一度考えてみたい。堀江君、お金で人の心は買えな
いのです。 額に汗して稼いだお金が尊いのです。日本の検察、司直、正義が
まだ生きていたのがせめてもの救いでした。                        
                 17年1月23日(月)鈴木誠一拝