雑感50<ゴーンマジック>

  1999年10月、日産自動車の社長に就任したカルロス
ゴーン氏は、前年度過去最悪の6844億円の赤字を、見事
1年で、過去最高の3311億円の利益を上げ、奇跡的な黒
字V字回復をなしえた。 ゴーン社長の日産企業再生、構造改
革のシナリオは、大胆かつ迅速だった。12000人の人員
削減、工場閉鎖、取引部品メーカーの1145社から810
社への削減等を断行し、全社員に危機意識(a sence of crisis)
を持たせた。どれほどの苦しみと忍耐を持って人員削減、工
場閉鎖を断行したかは、胸中余りある。他に選択肢が無かっ
た事を、全社員に徹底的に教示し、目標必達(Commitment)
を徹底した。Commitmentとは、一人一人が必ず達成すべき目
標で、もし目標を達成しなければ、一人一人に具体的な責任
をとらせる事を徹底して意識付けた。目標を達成する執念を、
 ゴーン社長自らが身を持って示した。まさに、
I do or I die.である。

  又、徹底した成果主義、信賞必罰をとった。評価基準は、
1、収益性、2、顧客満足度の2点に明確に絞った。型には
め込む事をきらい、セクショナリズムを廃し、個人のやる気
と創造性を高めた。社内での建設的な衝突(Conflict)が多
く出始め、事なかれ主義が、姿を消した。社員一人一人に、
お客様が我が社に何を期待しているかを、徹底的に考えさせ、
実行させた。ゴーン社長自らが誰よりも早く出社し、すべて
の社員の社内メールに目を通した。すべての社員に明確な目
標と方向性を与え、達成期限、締め切り(dead line)を厳守
させた。

  現場への動機付けを(Motivation)を高め、一人一人の心
と仕事を掌握していった。ゴーン社長は、1、Project、
2、Vision、3、Speciality、を明確に打ち出した。ゴーン
辞典を自ら作成し、彼の経営哲学、経営手法の理解を徹底さ
せた。

  新車のニューシーマ、プリメーラ等、人の感情に訴える売
れる新製品を、世に送り出した。品質、値頃感、信頼性を新
製品のコンセプトとした。Speciality、他に無い独自の魅力
を強烈に打ち出した。

  ゴーン社長は、経営者のリーダーシップとして、次の4点
を指摘している。
1、現実に起こっている経営現象を客観的に正しく見て、計
    数的に正確に把握し、原因を追究する。
2、全社員と徹底的にコミュニケーションを深める。
3、リスクを担うだけでなく、新しい危険な分野、事業に飛び
    込む勇気を養う。
4、思慮深く考え、勇気を持って、スピーディーに実行する。

  成功への道は、期限を切り、自分達がどこへ向かうかを明確
に示し、コミュニケーションを密にとり、一人一人に目標とや
る気を持たせる事と説く。

  情熱を秘めた人間は、驚くほどの想像を絶する成果を上げら
れるものである。(カルロスゴーン)
平成の名経営者、カルロスゴーン氏は、世の経営者に、多くの
教訓と勇気を与えてくれた。

                     平成13年5月27日(日)鈴木誠一拝